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BLDG02

MATSUO CORPORATION HEAD OFFICE

BLDG02

マツオコーポレーション本社ビル

本計画は、コンクリートブロック製造メーカーの本社ビルである。設計に先立ち、設計者とメーカーはブロック建築の可能性を問い直すところから着手した。美観・施工性・堅牢性——三つの課題を素材の次元から共同開発するこの取り組みは、単独の建築行為に留まらず、地域で生産・消費され環境性能の高いブロックという素材の再評価を社会へ問う試みでもある。構造は「鉄筋コンクリート組積造」(RM造)である。RC造の柱や梁を持たず、積み重なるブロックの量感と質感がそのまま建築の表情となる。RM造固有の構造区画という条件に対し、耐力壁を二列に配置する「二重壁構造」を採用することで、構造的制約を大開口が連続する空間的魅力へ転化した。さらに上下・水平方向に視線と動線が連なることで、人びとの立体的な連携が可能となる。
「二重壁構造」は空間的な効果にとどまらず、配管・断熱・水密性の確保を壁の隙間に集約する。複数の機能を一つの構法的判断に解消したことで、フカシ壁や付加的な仕上げが不要となり、内外ともにブロックをそのまま現した。「構造=仕上=環境装置」が、構法の論理として成立している。RM造はスラブを除く型枠を必要とせず、地域産の骨材でブロックを製造できる。工法が木材とセメント使用量の削減を含意し、生産・流通の回路はRC造とは根本的に異なる。地産地消に基づく小さな経済圏と循環型社会への応答として、この工法は建築の成立条件そのものを問い直す。ブロックが見直されるとき、それはRC造、S造、木造に続く第四の構造形式としての射程を持ちうる。

 

 

 

 

用途  社屋  構造 RM造(鉄筋コンクリート組積造) 構造設計 桑島由美子建築設計事務所 撮影 外観写真 笹の倉舎 笹倉洋平  内観写真 小島康敬 設計協力 マツオコーポレーション tyto グラフィックス carutaクリエイティブ  原孝治
メディア 新建築 2024年12月号表紙掲載 designboom
受賞  2024年 JIA優秀建築選
2025年 日本空間デザイン賞銀賞
2026年 日本建築学会作品選集 JIA環境建築賞入選 大阪建築コンクール大阪府知事賞